今回はトライアンフ ストリートトリプル675のインプレです。
2007年式ストリートトリプル675
ストリートトリプル675独自採点評価
1.横に立っての押し引き取り回し
★★★★★★☆☆☆☆
2.トルク感(加速力)
★★★★★★★★☆☆
3.パワー感(高回転の伸び)
★★★★★★★☆☆☆
4.気楽さ
★★★★★★☆☆☆☆
5.疲れにくさ
★★★★★☆☆☆☆☆
6.上がりのバイクになり得るか
★★★★☆☆☆☆☆☆
1.横に立っての取り回し
ストリートトリプル675の車格は、400cc4気筒車程で装備重量は189kgと、大型バイクとしては軽量車です。
車高もそれほど高くはなく、ハンドル切れ角はやや狭いですが、扱い易いバーハンドル車ですので、横に立っての取り回しは、慣れればそれ程気遣いなく動かせる印象です。
足場が砂利やアスファルトに砂がかかっている場合でも、多少気を遣いますが、足を滑らせてもなんとか踏ん張る事が可能です。
2.トルク感
トライアンフ伝統の直列3気筒675ccエンジンを搭載しています。
こちらのエンジンがストリートトリプルの最大の特徴だと感じます。
同社デイトナ675にも搭載されている3気筒エンジンです。
この車種は年式にもよりますが、初期のストリートトリプルのインジェクターの設定はわりと過激で、極低回転から太いトルクを発生させます。
スロットルレスポンスは同じ3気筒エンジンのYAMAHA、MT09のAモードに近い印象です。
MT09はトライアンフの3気筒エンジンを参考に開発されたと聞いています。
MT09のAモードの設定はレスポンスがあまりに良すぎて危険を感じる程に過激ですが、こちらのストリートトリプルの設定もわりと過激です。
車体も軽量という事もあり、低回転からのトルクが強く、加速力が半端ではないです。
600ccミドルクラス帯ではトップクラスの加速ではないでしょうか。
低~中回転のトルクが薄い600SSと比べると断然速く感じます。
加速力に影響する第一条件はまず軽い事です。
これは、現行のGSX-R1000Rと隼を乗り比べてみますとすぐに分かります。
排気量(トルク)は隼の方が上ですが、加速は車体の軽いR1000の方が速いです。
隼が後ろから蹴飛ばされるような加速だとすると。
R1000は空間を切り裂くような加速のイメージでした。
話を戻しますと、ストリートトリプルは筆者が今まで走らせたリッター未満の車種の中で、加速力だけでいうなら、3本の指に入る車種だと思います。
その代わり、スロットルのドンつき感が強くコーナーの立ち上がりには気を遣います。
ラフに操作しますとリアタイヤが簡単に滑り出し、スリップダウンしてしまいます。
新型の765も試乗会にて走らせましたが、765は675よりもインジェクターの設定がマイルドになり、ドンつき感もなくなり操作しやすくやっていました。
しかし低回転からのトルクは健在で、ラフにスロットルを開ければ簡単にフロントが浮き上がるトルクがありました。
ドンつき感がない分、現行車の方が乗り易く安心出来ると思います。
3.パワー感
前述の通り、低回転からのトルクが太く抜群の加速力がありますが、中~高回転の吹け上がりもリニアで鋭く、高回転の伸びも素晴らしいエンジンです。
上記動画を見て頂ければスムーズで鋭い吹け上がりに納得してもらえるかと思います。
スロットルを大きく開けていくと、グゥォォォォォと3気筒独特の雄叫びを上げながら加速していき、あっという間に速度が伸びていきます。
200kmまで簡単に出てしまうエンジンです。
ミドルクラスとは思えない素晴らしいエンジンだと感じました。
筆者は"エンジンだけ"でみると、同クラス最高のエンジンだという印象です。
"エンジンだけ"と書いたには訳がありますので、後述していきます。
4.気楽さ
大型車としてはコンパクトで、比較的軽量車ですので、ガレージからの出庫時や、コンビニでの向き変えも等もそれ程苦にはならず、気楽さは比較的高評価です。
同クラスセパハン車と比べても楽で気楽さがあります。
5.疲れにくさ
ハンドリングもクセがなく、スイスイと爽快に曲がってくれます。
サスペンションも問題なく、バーハンドル車で、乗車姿勢も無理がありません。
しかし低回転から太いトルクがありますが、吹け上がりが鋭く、回すと気持ちいいエンジンですので、どうしてもエンジンに回せ回せと急かされる感は感じます。
スロットルのドンつき感も比較的気を遣います。
渋滞等にはその辺りがストレスとなり、気疲れに繋がってきます。
500km程の日帰りツーリングに使用した事がありますが、帰宅時には酷い疲労感があった事を記憶しています。
問題点
前述した"エンジンだけ"という記述ですが、低回転からのトルクも高回転のパワーも申し分ない素晴らしいエンジンなのですが、この車種には致命的な弱点がありました。
これは同年式のデイトナ675も同じのようです。
問題点は外車あるあるになりますが、電装系
が致命的に弱い事です。
これは体験して初めて理解出来ました。
筆者はレギュレーターを数回交換し、オルタネーター(ステーターコイル)も交換しています。
新型では対策され移動されていますが、旧型ストリートトリプルのレギュレーターはエンジンとエキパイに挟まれた場所に設置されているため、熱によりすぐにパンクし壊れてしまいます。
筆者は熱対策でサイドに移設しましたが、それでもまた故障しました。
そこでオルタネーター部を開けて見てみましたが、ステーターコイルは見事に焼けてダメになっていましたので、これもまた交換しました。
どうも電装系がやけに弱いようでした。
ツーリング先で電装系が故障しますと、エンジン始動が不可能になりますので即レッカーとなり、かなり致命的です。
外車は電装系が弱いとは聞いていましたが、ここまで酷いとは想定していませんでした。
現行車はさすがに対策されているとは思われますが、日本の夏は高温多湿、冬は厳しい寒波と気候変化が厳しいので、外車メーカーは完全には対応出来ないのでは、と感じます。
筆者のように、自分で修理交換する方でしたら互換部品代だけで済みますが、ショップに純正部品を注文し毎回みてもらうとなると、かなりの出費を強いられると思います。
ですので、エンジンの素晴らしさというメリットよりも、故障修理のデメリットが勝ってしまうように思います。
6.上がりのバイクになり得るか
総合的にみて上がりのバイクになり得るかという点ですが、軽量コンパクトでエンジンも素晴らしいのですが、前述のように致命的な弱点があり、気疲れする部分もいくつかありますので、ストリートトリプル675は、上がりバイクになり得る可能性は低いのではないかと思います。
筆者は"エンジンだけ"は高評価していましたが、故障修理の繰り返しに嫌気がさしまして、僅か数年で手放した経緯があります。
ただ、本当にこのエンジンだけは記憶に焼き付く最高に気持ちいいエンジンでした。
MT09のエンジンも低速からトルクフルで高回転の伸びの良い爽快で刺激的なエンジンですので、筆者は3気筒エンジンがわりと好みなのかなと感じています。
zzr1200romichannel.hatenablog.com
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最後まで読んで頂きましてありがとう御座います。
次回は他車種をインプレしていきます。
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